SHUNJI MURAI
- 1990年頃から、何かを描くのではなく「絵画」そのものをテーマにして制作しています。最初は、三原色を塗り重ねそれを拭き取って消していくことから始めました。消すことで支持体の物質性やストロークの跡の重なりが見えて来る、思いもよらぬ形や色が出現する方法です。2003年からは、消すこととは反対に描く行為に着目し、幼児の殴り描きを分析しそれを再構築して制作する「Child Work」というシリーズを制作しました。2008年の「SAGAMI River」では、プロジェクターを使った、1点透視図法による写真の転写を試み、2011年の「CHIAROSCURO」(キアロスクロー)というシリーズと、それに続く2014年の「抽象写真」では、透明なフィルムにプリントした写真と油彩画のコラージュを試みました。2021年の「抽象絵画」と、2022年の「深さと表面」はいずれもシステムとしての絵画、装置としての絵画という視点から「深さがあり同時に表面である」という絵画と写真に共通する形式上の性格に留意して作品を作れば、写真で抽象絵画を作ることができるのではないかという試みです。『深さと表面』村井俊二展より
村井俊二 履歴
1957岩手県盛岡市生まれ
1985多摩美術大学卒業
1987多摩美術大学大学院修了
1989東京芸術大学大学院修了
個展
1988 ルナミ画廊/東京
1989 ルナミ画廊/東京
1990 コバヤシ画廊/東京
1991 第一画廊/岩手・盛岡
1993 ヒノギャラリー/東京
1994 ヒノギャラリー/東京
1995 ヒノギャラリー/東京
1996 ヒノギャラリー/東京
1997 ヒノギャラリー/東京
1998 ヒノギャラリー/東京
2000 ヒノギャラリー/東京
2001 ヒノギャラリー/東京
2001 第一画廊/岩手・盛岡
2003 ヒノギャラリー/東京
2004 ヒノギャラリー/東京
2006 ヒノギャラリー/東京
2008 ヒノギャラリー/東京
2011 ヒノギャラリー/東京2014 ヒノギャラリー/東京
2021 萬鉄五郎記念美術館 八丁土蔵ギャラリー
2022 ヒノギャラリー/東京
グループ展
1989 『ON CANVAS 』埼玉県立近代美術館
1992 第5 回アクリラート 展目黒区美術館
1992 第28回今日の作家展『現代性への問いかけ』横浜市民ギャラリー
1994 VOCA展’94ー新しい平面の作家たち上野の森美術館/東京
1994 神奈川アート・アニュアル’94神奈川県民ホールギャラリー
1997 『今日の日本画』第14回山種美術館賞展
1999 四人展 ヒノギャラリー/東京
2004 村井俊二 溝口昭彦展萬鉄五郎記念美術館/岩手
2009 岩手県所蔵美術作品選 岩手県立美術館
2011 平成22年度新収蔵美術作品 第一期展示岩手県立美術館
カタログ
アクリラート展/目黒区美術館1992年
今日の作家展『現代性への問いかけ』
<物に/物と>ー物質との関係の変貌(山梨俊夫)1992年
神奈川アートアニュアル/神奈川県民ホールギャラリー1994年
VOCA展/上野の森美術館1994年
山種美術館賞展/今日の日本画1997年
分析的精神の画家(本江邦夫)2000年 ヒノギャラリー個展
村井俊二の新作をめぐる走り書き的覚え書き(北澤憲昭)2001年
ヒノギャラリー個展
絵画の垂直降下、あるいは村井俊二のために(本江邦夫)2003年新聞
村井俊二展/東京新聞夕刊美術欄(北沢憲昭)1993年7月
村井俊二展/毎日新聞夕刊美術欄(三田晴夫)2000年7月10日
村井俊二展/毎日新聞夕刊美術欄(三田晴夫)2003年10月16日書籍、雑誌、その他
現代日本絵画/本江邦夫著 みすず書房
2006年12月
展評/絵画そのものへの眼差し(大野正勝)2002年春号
日経 IMAGE CLIMATE FORECAST
(千葉成夫)1993年
日本画の歴史 現代編
(第五章『日本画』から『日本の絵画』へ)
草薙奈津子著 中公新書 2018年11月
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